月天使

月様が彼を……結大さんを愛していらっしゃる

なら彼と婚約すれば良い話だろう…。


何故だ!何かとても大きな問題が引っ掛かる…


僕は木の影から出て、

月様の元へとかけていった。


すると驚いた顔で僕の方を月様は見た。


「あ…或斗様…。」


僕は月様に近づき、


「隣の彼はどちら様ですか?」


とわざとらしく聞いてみた。

すると月様は慌てたように


「あっ…えと…彼は…」


と言葉を切らして困っていた。


するとそんな困った様子の月様の

前にでて結大さんは僕に一礼した。


「初めまして。浜島結大と言います。以前、怪我をしているところを助けて頂いた者です。」


彼は丁寧に僕に挨拶してきた。

僕もわざとらしく、


「僕は或斗です。月様の婚約者です。」


と挨拶した。この一言が屋敷全体に響いた。

彼の顔が真っ青になっていくのが分かった。


さぁ、どうした!?言ってみろよ…。


【俺は月さんが好きだ】って…。

そしたら僕は簡単に手を引ける…。


でも僕が聞いた彼の言葉は余りにも情けない

言葉で僕は彼を怒鳴り付けることとなった。



なんでだよ…。


僕が君ならきっと絶対言って見せるのに…。


【彼女を愛している…】と。
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