月天使

       【由美子side】


「何故だっ!!君は…。僕が君なら…僕が君ならっ!!」


私はずっと月達を観察していたが

大変なことになっていた。

或斗様と見知らぬ男がもめている。


そして或斗様がその男の胸蔵を掴んで

怒鳴り付けていた。


回りが静まり返り、そこに人が集まっていた。


私も気になって見に行くと…


「或斗様…。喧嘩はやめてくださいっ…!!」


と月が2人を止めようと間に

入って喧嘩を止めていた。


でも或斗様がお怒りになるなんて…


「月様。僕は腹が立つんです。彼がもし、今すぐに素直な気持ちを告げたなら貴方を諦められるのに…彼は一体何ておっしゃりましたか!?」


「“お幸せに”と…。」


「すみません…僕は思ってもいない嘘をつかれるの、大嫌いです。だから言っておく。結大くん!!」


その一言を聞いた途端、私はハッと我に返った。

彼があの、浜島結大なの!?どうなってるの!!


何でこんなことに?しかも、何故あんな高価な

ブランド服を着ているの!?


いつの間に仕組んでたの、月?


「月っ!!な…何て事をっ!!」


私は思わず月達を囲むお客様を払いのけて

或斗様の前に出た。


すると或斗様は私をじっと見た。

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