月天使
そして、私の起こしてしまった罪が
記憶からすっかり消え去った2年後。
今夜も寂しい夜桜が降りやまない…
そんな日だった。
―――プルルルル…
と一本の電話が掛かってきた。
私は思わず走って受話器へと手を伸ばした。
「はい。もしもし…」
『あっ…夜遅くにすみません。奥様、私は望月病院の者です。』
少し泣きそうになった。
月からの連絡かと思って微笑んだ
自分がバカに思えてきた。
「どうしたの…?」
『実は…』
私は話を聞いて驚いた。
又、月に悲劇が起こってしまったのだ。
あの…あの、浜島結大がっ!!
『お亡くなりになりました。』
「その遺体は!?」
『それが…消えたんです。』
「えっ!?」
『ただ、1枚の黒い羽が落ちてありました。彼のメッセージかもしれません…』
「そっそんな…」
私はなんとも言えない悲しみに包まれた。
何だろうか…。