月天使
「……。」
ふれあは黙りこんでしまった。
「俺らが生きて全員揃っていられるのもいつまでなんだろう…」
陸はどこか違う世界を見ているようだった。
「それは言わなくて良いじゃないですかっ!!」
ふれあは少し怒ったように言った。
「ふれあ、陸っ!!もうやめな!!」
あたしは2人が喧嘩になっているのを
声を上げて止めた。これじゃぁあたし達は…
「生きてけないかもしれません。この闇を打ち払う為に命を投げ出す事になるかもしれません。それでも未来が私達を待ってるんです!!」
ふれあは本気だった。
熱い目線があたしの瞳を写し出した。
「私達が出会えたのがほんの奇跡だって思えたなら、これから待っている闇なんて怖くない…。私の命なんて惜しくもないっ!!」
あたしはこの言葉を聞いて、思わずふれあの乗
っている雲に飛び乗って、ふれあを抱き締めた。
「えっ!?月さん…?」
「ふれあの気持ちは分かった。陸も、何かを失うのが怖いだけなんだね。大丈夫…。誰1人死なせてやんない!!敵も味方も元々同じ人間なんだ。」
ふれあがあたしを抱き締め返してきたと
思いきや、急に慌てた顔をして
「もう、分かりました~っ!!
お願いですから離してくださいっ!!」
とあたしの体を突き放そうとした。
そして、あたしは言われるがまま離れるのだが…