月天使

あたしは結大、ふれあ、陸のお陰で何とか

海の近くまで来れた。

そして、結大が優しくあたしを地面に下ろした。


「大体お前な…自分の事、気に出来ねーのなら人の事に顔突っ込むな!!」


「ごっ…ごめんなさい…。」


あたしは少し落ち込んだ。すると…


―――ポンッ…


と頭に大きな手のひらがのっかった。


「もう、心配させるなよ…。」


と結大は小さく微笑んだ。


結大はあたしの曇った心にすぐに

光を差し込んで心を落ち着かせる。


そしてあたしにそっぽ向いて

サッと前を歩いていくんだ。


「この海だな…黒魔女が住んでるのは!!」


海を見ていた陸があたしに聞いてきた。


「うん。間違いない……と言いたい所なんだけど、ごめん。男に化ける!!」


あたしは手持ちのリュックから

着替えを取り出した。すると…


「「「はぁぁぁっ!?」」」


と、三人の声がハモった。


あたしはその驚いた顔を見て思った事を

聞いてしまった。


「あたしの事、<おなべ>とか思ってる!?」
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