月天使

「それを阻止しない限り、私達やこの世界の皆の未来は無いに等しいわ…」


私は陸から目を離さず話した。


「俺は……佳那とかいう女を助けたいとは正直思わねー。だけど、月のしようとしてる事がこんなに大きな事だったとは…」


「月くんは何も知らないのよ…佳那の心が復讐と闇に包まれてる何て事…」


「壊すことしか出来ない…それが闇。」


私はふと、陸を見た。悲しそうな顔だった。


どうしてか分からない…


どこかで見たことある気がする。

彼のその悲しそうな顔を…


「陸、貴方の守るべきものは何?」


そう聞いたときだった。


―――ポンッ…


と私の頭に手の重みがかかった。


「決まってるだろ!!ここにいる仲間皆だ!!月も結大もふれあも…それにお前も俺の仲間なんだ!!」


「えっ…!?」


ドキッ…

私の胸が大きく高鳴った。

私は陸の真剣な顔を見た。


さっきまでの私を嫌う態度とは違う…。


彼の瞳の中には大きな未来が光っていた。


「誰1人傷つけさせねー!!
俺は好きでここにいるんだから!!」


私は少しホッとした。
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