月天使

「なーんだ…あんた、良いヤツじゃん♪」


私は陸に背中を向けた。


「ん?」


少し不思議そうにしている陸の方に振り返って


「自信もって守るもん言えるって格好いいよ!!」


と言って私はにっこり笑った。


「な…なんだよ!?いきなり?」


「ううん…何でもない!!」


って…待てぃ!!

私何言っちゃってんの!?<格好いい>だって!?


「おっ…おい!?大丈夫か?顔赤いぞ?」


陸に顔を覗きこまれた。


「だっ…大丈夫!!大丈夫だからっ!!」


お願いだから見ないでーっ!!ヤバイからマジで。

そういう優しいのに弱いから!!


「そっか?じゃあ行くぞ!!」


と言って陸は私の前を歩いていく。


ヤバい…陸の真っ直ぐなその気持ち。

大きな背中、力強くて優しいその心。


マジで格好いいよ…。


「ねぇ…陸。」


私は後ろを歩く。


「うん?」


陸は振り返らずに前を歩き続ける。


「守ってね…私達の事。」


「おっ…おう!!」


私はその大きな背中に向かって

声をかけ続けるんだ。ずっとずっと…。
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