月天使

「よっ!!月っ。」


「げっ!?陸?!!盗み聞き!」


あたしは思わず目を見開いた。

そんなあたしを見て陸は

「いやぁ…男前2人が並ぶと絵になるなぁ…。」


なんて呟いてる。いや、今は確かに

男装してるけど一応女の子だからね!?


「うーん…女のくせして体がしっかりしてる。
スポーツか何かしてたか?月。」


「あぁ!!スポーツなら、テニスにバスケ、
卓球にスケート、サッカーとかなら!」


「え…。嘘だろ?」


陸の顔が歪んだ。

もっ…もしかして、あたし何かマズイ事言った!?


「あの…陸?」


恐る恐る陸の顔を覗き込むと


「おいっ!!お前、どこのお嬢なんだょ?」


と真面目な顔で言われた。

何なんだ!?こいつは…!!?


仕方なく今まで隠してきた

あたしの秘密を陸に話すことにした。


「陸は望月由美子って知ってるか?」


「あぁ。知ってるぜ!!あの有名な望月会社を建てた人だろ?んで、それがなんだ!?」


「全く…ここまで言って分からないなんて
ある意味、幸せ者だね…陸は…。」


「えっ!?」


ちょっと不思議そうにあたしを見た。


「あたしはその、望月由美子の娘だ!!」
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