月天使

陸の顔がまた、歪んだ。


「は…はぁ!?マジかよっ!!」


本人は笑ってるつもりだろうけど

うまく笑えてないよ…陸。


まぁ、動揺するのも仕方ないか…。

あたしは又、話を続けた。


「家出した望月由美子の娘だってバレるとマスコミがうるさくてね…。だから男装してる訳。」


「じゃぁ、あのテレビで話題の跡取り娘、月様ってお前かっ!!」


「そ…そぅだけど何!?」


陸がニヤリと笑っていた。何か嫌な気がする…。


「おいっ月!!サインくれ!!」


「はぁ!?」


「そんなふてぶてしい顔しないで頼む!!」


ほーら…来たよ↓サインのおねだりだよ!?

はっきり言ってやだよ?サインとか…。


「マジで頼むよっ!!ファミリーパックの
チョコレート3ヶ月分おごるからさっ!!」


う…うそ!?

あたしのサインでそれだけ手に入るの!?


「よしっ!!その話、乗ったぁぁぁあ!!」


あたしのチョコレートが待ってる…。フフフ…。


「うわ…チョコレート恐るべし!!」


陸が小さく呟いた。


こうしてあたしは色紙にサインを書き、

大好物のチョコレートを手に入れた!!
< 149 / 290 >

この作品をシェア

pagetop