月天使

「瑠璃愛ーっ!!」


あたしは瑠璃愛の後ろ姿に声をかけた。


「なっ…なに!?月くん!!大声だして?!」


瑠璃愛は焦ったようにあたしの方を振り返る。


「陸に話は聞いた。で、佳那の力は!?」


瑠璃愛は悔しそうな顔をしてあたしに話し出す


「あぁ…もう、結大くんの力を上回ったようだわ。なんて成長ぶりだろうね。」


そっ…そんなバカな!!


「佳那が結大を超えた!?」


「そーよ。月くん、貴方は逃げるの?」


瑠璃愛が真顔であたしに訪ねてきた。

あたしの答えは決まってる。


「逃げねーよっ!!絶ってぇ佳那に追い付いて佳那を取り戻す!!」


瑠璃愛がクスリと笑った。


「月くんホント変わったね!!」


<それはここにいる皆のお陰だ。>


そう言いたかったけど言葉が出なかった。

何だか素直に言うのが照れ臭い。


「で、月くん。私に何か用があって呼んだんでしょ?」


さすがに瑠璃愛は勘が鋭い。


「それがなー…瑠璃愛に1つ頼みたい事がある。」


あたしは真剣に瑠璃愛を見つめた。


「もしかして、クリスタルタワーを呼び寄せたいの!?」


ズバリその通りです…。だって…


「お前にしか出来ないことだろう?」

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