月天使
そうだ。現実から逃げてたまるか!!
佳那が上の階段にいるならあたしも
階段を走って佳那の所まで全力で
駆け上がってやんだよ!!
「月くん。突然だけど貴方の守るべきものは一体何かしら?」
瑠璃愛が真剣な顔をして言った。
あたしの守るべき物は…だって!?
そんなの決まってるよ!!
「ここにいる仲間だ。そして佳那も絶対守ってやるんだ。」
瑠璃愛が真剣な顔をして小さく頷いた。
「じゃあ、質問を変えるわ。その、仲間や佳那って子が傷付いてたら?」
「…いやぁぁぁあっ!!」
そんなのダメだ!!ダメに決まってる!!
「えっ…ちょっ月くん!!」
「瑠璃愛、俺は許せない。その時は俺がその傷付けた相手に仇を打つ!!」
あたしは真剣に瑠璃愛を見た。
だが、瑠璃愛は…
「…ダメね。」
と小さく呟いた。あたしはよく分からないまま
瑠璃愛の緑の透き通る瞳に取り込まれた。
「自分の感情に振り回されないで!!」
その言葉が大きく胸に響いた。
自分の感情をコントロールするのか!?
でも、それって…
「一体どうするんだ!?」
瑠璃愛は困ったように笑った。