月天使
「それは貴方の気持ち次第。私がどうこうと言える事じゃないわ。」


そっ…それじゃ、あたしがこのままでいたとした

ら、この世界は憎しみに落ちてくだけなの!?


「ねぇ…月くん。何でこの世界から戦争は無くならないと思う?」


瑠璃愛は空を見つめていた。


「それは…」


あたしの答えは見つからない。


どうして終わらないのか、無くならないか

なんて分からない。武器や力があるから!?


いいや、それだけじゃない!!


「許せる心が人には無いからよ。」


「えっ…?」


瑠璃愛はとても悲しそうに空を見ていたんだ。

あたしはしばらく瑠璃愛から目が離せなかった


「大切な人が傷付ついてる姿なんて想像したら私だって胸が張り裂けそうになる。でもね、許せる心がなければ悲しみの連鎖は終わらない。」


まるで彼女はそれを経験した人のように見えた


「私は止めるの!!例え辛くても止めないと戦争は終わらない。」


瑠璃愛はきっと何か失う悲しみを知っているんだ。


「結大くんは平和を取り戻す為に仲間が目の前で殺され、闇に包まれていく世界を見てきたの」


瑠璃愛はあたしが手を伸ばしても

届かない存在かもしれない。
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