月天使

「よし、いくぞ瑠璃愛っ!!」


あたしは瑠璃愛の方を向いた。


「えぇ。いつでも来なさい!!」


瑠璃愛が小さく笑った。

準備は出来ているようだ。


大きなホウキを持って、

何をするのかと気になる所だが…


―――ブオォォ!!


と力が溢れてきた。すると、


「良いわよ!!その調子。」


と瑠璃愛があたしに手を振った。


「よっしゃーっ!!いっけー!!」


あたしはその力を瑠璃愛に

向かって放ったのだが…


―――ボスン…


と瑠璃愛の手前でその力は消えてしまった。


「惜しいよ!!もう一回やってみて!!」


瑠璃愛のその言葉があたしをやる気にさせた。


「瑠璃愛っ!!それじゃいくぞ!!」


「こいっ!!」


あたしは力を瑠璃愛に向けて思いっきり放つが


―――ボスン…


と瑠璃愛の所まではどうしても届かない。


そうして今日一日は何度も何度も

そのステッキを使った練習をした。


だけどやっぱり出来なかった。

なかなか、扱いが難しいというのが

改めてよく分かった。
< 157 / 290 >

この作品をシェア

pagetop