月天使
「よし、いくぞ瑠璃愛っ!!」
あたしは瑠璃愛の方を向いた。
「えぇ。いつでも来なさい!!」
瑠璃愛が小さく笑った。
準備は出来ているようだ。
大きなホウキを持って、
何をするのかと気になる所だが…
―――ブオォォ!!
と力が溢れてきた。すると、
「良いわよ!!その調子。」
と瑠璃愛があたしに手を振った。
「よっしゃーっ!!いっけー!!」
あたしはその力を瑠璃愛に
向かって放ったのだが…
―――ボスン…
と瑠璃愛の手前でその力は消えてしまった。
「惜しいよ!!もう一回やってみて!!」
瑠璃愛のその言葉があたしをやる気にさせた。
「瑠璃愛っ!!それじゃいくぞ!!」
「こいっ!!」
あたしは力を瑠璃愛に向けて思いっきり放つが
―――ボスン…
と瑠璃愛の所まではどうしても届かない。
そうして今日一日は何度も何度も
そのステッキを使った練習をした。
だけどやっぱり出来なかった。
なかなか、扱いが難しいというのが
改めてよく分かった。