月天使

「…難しいね。月くん。」


現実は難しい。

壁がいつもあたし達の前を邪魔する。


「瑠璃愛、俺大丈夫かな…。」


不安になったあたしは瑠璃愛に思わず訪ねた。

すると…


「不安になるな!!バカっ!!」


「ふぇっ…!?」


怒鳴り付けられた言葉に思わずハッと

我に返った。 瑠璃愛は又フッと笑うんだ。


「まだやったばっかじゃないか!!」


ってさ…。あたしもつられて笑うんだ。


「そうだな!!」


ってさ…。あたしはこうして丸一日

ステッキを使った練習を終えた。


海辺のテントに戻ると皆が火をつけて

魚を焼いていた。


「おっ!!月、お疲れ♪」


相変わらずな結大はあたしに隣に来いと

言うように隣のイスをポンポンっと叩い

て紙コップを渡してくるんだ。


「お…おぅ!!サンキュ!!」


あたしはフッと笑って結大の隣に座った。

すると…



「月さん、疲れてますね~!!」


とふれあがあたしを見て笑った。


<そりゃ疲れもするよ…>と言おうとした

途端、ふれあが驚きの言葉を発した。


「でも、それはお互い様ですよ*」


ってふれあは笑いかけてきたんだ。
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