月天使
「男をもて遊ぶんじゃねーっ!!」
華紅弥達は顔を真っ青にした。
そして、俺の前から逃げていった。
【女は嫌いだ。相手をみて顔色を変えやがる。
表裏のハッキリしねー腹黒で最低な奴らだ!!】
俺がそう思うようになったのは
あの日のあの彼女との出来事からだった……。
「陸…私ね、陸が好き!!」
いつもの放課後、いつもの屋上、
いつもの景色、いつもと違うのは…
「俺も、夏美が好きだ。夏美を絶対守る。」
俺に初めて彼女ができたことだ。
初恋だったんだ。
ただ、彼女を本気で好きって思った。
幸せだったんだ。
・*・*あの事件がおきるまでは*・*・
―――プルルル…
携帯を鳴らす俺はどこか緊張してた。
『はい?もしもし。陸??』
「あっ…夏美?良かったー出た!!」
『陸の電話ならいつでも出るよ。陸と話せるの楽しみにしてるから♪で、一体どうしたの?』
夏美は不思議そうに聞いてきた。
俺は慌てて、
「あ…えと、予定が空いてればだけど今から、2人で映画行かない?」
と、さりげなく夏美を誘う。
カッコ悪ぃな……。俺、声震えてる。