月天使
出店がたくさん並ぶ所ではぐれないよう
にギュッと手を握ってこのまま
連れ去ってしまいたいとも思った。
「ねぇ、陸…たこ焼き食べたい!!」
「ん?たこ焼きか?じゃぁそこにいろよ。」
俺は夏美と繋いでた手を離してたこ焼き
屋の前にたって、たこ焼きを一つ買った。
「お待たせ!!はいっ、たこ焼き*」
俺は又夏美の手を握り、
たこ焼きを見せびらかすんだ。
すると、夏美は何かを思い付いたように
「陸、たこ焼き貸して!!
あそこに座って花火見ようよ!!」
と俺を引っ張っていく。
俺は夏美と近くにあったベンチに座って
花火が上がるのを待った。
「ねぇ、口開けて?」
夏美が突然変なことを言い出した。
が、仕方ない。やってやるか!!
「はいっ、アー…」
俺は口を大きく開いた。すると…
―――パクっ…
突然口の中にたこ焼きが放り込まれた。
がしかし…!?
「うまいっ!!」
あまりのうまさに思わず油断した。
―――ヒュー…バーン!!
花火が打ち上がったのと共に頬に
夏美にキスされた。
「む…無防備過ぎるぞ///夏美!!」
俺の頬はリンゴ色に染まった。
「へへっ///」
照れながら笑う夏美を
いつまでも目に焼き付けていた。