月天使
手が…指先が震えて動かねぇ…。
信じたくねぇ…。
信じたくねぇよ!!夏美っ…。
「ここに残っている私を含める女子達は皆、夏美が好きでした。でもボス達に逆らえば私たちも何をされるかわからない。」
俺はそのボス達とやらに憎悪をもった。
気が狂いそうになった。
「陸くん…。」
「そのボスとやらはどうした…。」
涙がいつの間にか流れ落ちていた。
俺の目は何かを壊したい
恐ろしい気持ちに襲われた。
「に…逃げていきました。
自分達の証拠を残さないように…。」
「分かった!!サンキュな!!」
―――ダッ…!!
「えっ…陸くん!?」
俺はその言葉を聞いたと
共に走り出していた。
真っ白な雪のように溶けてしまった君を
もう少しだけ見ていたかったのに…。
ボスの奴…。許せねぇ…!!
全学年の女子を引き連れて夏見を
いじめてやがったのか!!
殺してぇ…殺してぇよっ!!
「ゔわぁぁぁあっ!!!!」
俺は泣き叫んだ。涙で前が
見えないのに走り続けるんだ。
殺すなんて出来ねーくせにさ…
これは俺のただの言い訳なのに…。
夏見を守れなかった。
気付いてやれなかった。
全て俺のせいじゃないか!!