月天使
私には彼の心が読めない…。
この世の人間じゃないからだ。
「一体何を隠してるの?結大くん!!」
もう後戻りは許されない。
「――――――……っ。」
結大くんは下を向いて
何も答えてくれない。
「月は自分が死ねない
体なんだってこと、知ってるの?」
私は質問を変えた。すると…
「知らないだろう…。」
そう寂しそうに結大くんは言った。
な…何でよ…。分からない。
「何で貴方は今ここで生きているのっ!!!?」
そう叫んでしまった。結大くんは
この世に存在しない人間。それは
本人が一番分かってるハズなのに…
「分からねぇ!!気が付いたら病院にいた。佳那が俺のところに来て不安な顔してた。」
そう寂しそうに結大くんは言うんだ。
「それってもしかしてっ…!!?」
「佳那が闇に手を染めた日だ。」
結大くんがそう言って
やっと私の目を見た。