月天使
「信じたくないよ…結大くん。今は
消えないよね?消えたりしないよね?」
私は必死になって聞いた。
本当に彼の力が薄まっていくのを
時々感じていたから…。
「瑠璃愛…大丈夫だ。だからっ…」
本当は結大くんのこの世で過ごせる
時間は残り少ないって分かってる…。
でもどうしても聞きたかった。
私を安心させてくれる言葉が…
「ねぇ、結大くん。」
「ん?」
本当は居なくなるなんて信じたくない
けれど月に本当の事を伝えられない
結大くんの気持ちも分かるから…。
「この世に貴方が存在している限り、月と…私達と…大切に時間を過ごそう?」
私はそんな彼を見つめて笑いかけた。
そんな私をみて結大くんもフッと笑った。
「当たり前だろっ。仲間なんだから!!」
ってさ…。ねぇ…結大くん。
今はただ生きて!!この世にいる限り
強く強く生きて。今は…消えないでいて…
そんな事を思いながら、私は仲間と
共に向かうんだ。闇に染まる炎の洞窟へ。