月天使
そんな事思っていたら、結大が
「でも、よくやったな、月。成長してるよ。
お前はやっぱり俺の認めた月天使だ。」
と言ってあたしの頭を撫でた。
こんな奴だから見つけたんだ…。
「結大…あたし、あんたの
良いところたくさん見つけたから!!」
「そっか…。」
そう言って結大があたしに近づいてきた。
ちょっ…えっ!?待って!!
「な…なに考えてるの!?結大?」
あたしは海の手前まで詰め
寄られてしまった。
―――ガバッ…
一瞬柔らかい風が吹いた。
「お前といつまで
こうしていられるんだろうな…。」
結大の大きな体があたしの体を
優しく抱き締めていた。
「えっ…?」
あたしの目はまん丸と大きく見開いた。
だって…
「今なんて言ったの…?」
嫌な気がした。結う大がらしくない事を
言うときは体外悪いことが起こる。
「何でもない…ただ、自分が自分の物で
無くなる日が近くなった気がしてな…。」
結大はあたしから離れようとはしない。