月天使
最後に確かめたい事がある。
俺は本当に夏美を愛せていたのか…。
「なぁ、瑠璃愛。会わせてくれ…。」
「えっ…?」
瑠璃愛が少し目を見開いた。
急で悪いと思いながらも俺は…
「夏美にもう一度だけ会わせてくれ!!」
と瑠璃愛に言った。
瑠璃愛は「いいよ。」と言って俺を見た。
俺は瑠璃愛の顔色を伺った。
ちょっと心配そうな顔。
もしかして俺の事気にしてる…?
「瑠璃愛、お前も一緒に来いよ!?」
「ええっ!?私も行くの!!」
「お前が嫌ならいいんだけど…。」
俺がそう言うと瑠璃愛は
「いやっ…行く!!嫌じゃないから!!」
と跳び跳ねるように声をあげた。
俺はそんな瑠璃愛を見てニコッと笑った。
「じゃあ連れて行ってくれ!!
夏美がいた過去の世界へ…。」
「よしっ!!ディプシースリープ!!」
瑠璃愛が黒魔女に変身して、魔法の
ホウキを地面に叩きつけた。
その途端、ゴオオオォという
水の音と共に俺と瑠璃愛は不思議な
空間に取り込まれていった。