月天使
「あのな…瑠璃愛。」
「ん?どうしたの陸…?」
「夏美はさ…俺のせいで死んだんだ。」
俺は両手を合わせて目を開けたときに
瑠璃愛に言った。彼女は驚いていた。
「俺、夏美がいじめられてるのに気づけなかった。守るなんて言って守れなかった。」
「……………陸。」
「俺は本当は弱い男なんだ…。」
そう言いきったときに瑠璃愛に腕を思
いっきり引っ張られて外に連れ出された。
そこにはもう過去の俺の姿はなくて…
「空見てみなよ。止まない雨はない!!夏美さんは幸せだったんだ!だからこの空みたいに笑っててほしいんだよ!!」
空を見上げたらそこにはもう冷たい
雨はなくてむしろ暖かな虹が笑っていた。
「なぁ…瑠璃愛、夏美が笑ってんのか?」
繋がれた手を握り返して
瑠璃愛の方を見た。
「きっと笑ってるんだよ。」
瑠璃愛は泣いていた。
子供のように笑ってるのに泣いていた。
俺は思わず瑠璃愛のほっぺたを
つまんで上にあげた。
「ぢょっ!!い゙だだだだだ…っ!!
バカっ…なにすんのよ!!」
瑠璃愛がちょっと怒ったように言った。
俺はニカッと笑って彼女を見た。