月天使
「てことはもう1人、他の誰かにも力を
託しているって事かしらね?フフフ…」
葉澄が《星花》と呼んで、親しんでいる
彼女がばか笑いをたてた。
「でも月くん一人でも凄い力ですよ!
これは楽しめそうですね。星花さん」
葉澄もつられて笑った。
「早まらないでいいわ。葉澄。又、いつか戦わなくてはいけなくなる。今は他を当たりましょ!!」
「そうですね!!さよなら。又会いましょ!!」
葉澄と星花はあたしに手を振っていた。
あたしは思わず、
「はぁ!?もぅ来んなーっ!!」
って叫んだ。
するとその途端に葉澄と星花は
嵐のように消え去った。
まずいな…。
又来たら、このアパート全部ぶっ飛ぶんじゃ…!
もう、家には戻らないことにしよう。
「結大、あたし以外に力を託したって本当?」
あたしは空に向かって叫んだ。
誰に託したの?
それともあいつらの言ってる事はデタラメ?
あたしは完全じゃないの?
最低だよ…。あんた、最低な男だよ…。
あたしにどうしろっていうんだよ、結大。
あたしにどうして欲しいんだ!!