月天使
言えなかった
【結大side】
俺は炎の洞窟で乃愛を見つけだした。
そして話を詳しく聞くことにした。
「乃愛、話があるんだ。」
月の口から乃愛の名前を聞いた瞬間、
心臓が止まるかと思ったんだ。
「結大、生きてたの?会いたかった…
とても、結大に会いたかったの…。」
乃愛は微笑んで俺に抱きついてきた。
「乃愛、何で月に幻術なんかかけたんだ!!」
俺は表情を変えず乃愛を
俺から突き放した。
乃愛は少しだけ寂しい顔をした。
「相変わらずあの子の事ばかりだね…。
結大は生きてるんだよね!?この世界に!?」
「分からねぇ。ただ分かるのは月が永遠の命を持ってて俺はすぐに消えるって事。」
「そっ…そんな!!消えないでよ!!
幻術をかけてもっと月に結大の
事を教えようと思ただけなんだけど…。」
何で俺の事を月に教えようと思ったんだ
ろうか…と不思議な気持ちになった。
「何でなんだよ…乃愛?」
俺はつい、乃愛の肩を掴んでいた。
「だって、悔しいじゃないの!!あの子は結大のしてくれた事、何も知らない。結大の事を一番知ってるのは私。なのに結大はっ!!」
乃愛の真剣な顔に俺は驚いてしまった。