月天使

「えーっ!!ちょっと待ってよ!月くん!」


佳那は一体どんな能力を…?


冬の間に実家に戻るか…?


いや、戻ったらきっと『男に化けてる!!』

って騒がれる。無理だ…。


「月……くん!」


てか男装してる理由が

結大だってバレたら尚更厄介だ…。


「る…な…くん」


よし、実家は止めよう。ここは佳那に意見を…。


「るーなーくん――っ!!」


「うわっ。なんだよ、いきなり大声だして!」


「だ…だって…月くん、どんなに
呼んでも気付いてくれないから…。」


え…そーだったの!?


「ごっ…ごめん。考え事してて…。」


「でしょーね?顔固まってたし!」


うわ…まずいぞ…佳那が怒ってるぞ…!!


「佳那、そんなに怒らないで…」


あたしは困ったように笑った。

すると、佳那は…


「月くんのバカっ!!それじゃ、怒られるのが
嫌だから仕方なく謝る子供と同じじゃない!」


と、あたしから目を背けた。


そ…その通りです…佳那さん。ごめんなさい…。
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