月天使
「る…瑠璃愛?」
あたしは瑠璃愛の肩をトンと軽く叩いた。
すると、瑠璃愛が目をパチクリさせて
涙を一気に拭った。
「あの…一体どうしたの!?」
そう言うと瑠璃愛は
真っ赤な目をこちらに向けて
「何でもないよ。海を
見てたら懐かしくってね…。」
と作り笑いをするんだ。
本当に分かりやすい子だな…。
嘘の下手な瑠璃愛を
見れば何かあったのだとしか思えない。
「えっと…。それより月の方こそどうしたの!?自分の着けてるネックレスと同じものを何で持ってるの?それ結大くんの…。」
「えっ…!?」
あたしはそう言われて思わず
自分の手を見た。
すると、あたしは結大とお揃いの三日月の
ネックレスをぎゅっと握りしめていた。
な…なんで!?
もしかしてっ…!!?
「月は知らないと思うけど、さっきね…」
「結大が消えたんだろう…?」
「えっ…!?」
瑠璃愛の驚いた顔からすれば図星だろう。