月天使

「る…瑠璃愛?」


あたしは瑠璃愛の肩をトンと軽く叩いた。


すると、瑠璃愛が目をパチクリさせて

涙を一気に拭った。



「あの…一体どうしたの!?」


そう言うと瑠璃愛は

真っ赤な目をこちらに向けて


「何でもないよ。海を
見てたら懐かしくってね…。」


と作り笑いをするんだ。

本当に分かりやすい子だな…。


嘘の下手な瑠璃愛を

見れば何かあったのだとしか思えない。


「えっと…。それより月の方こそどうしたの!?自分の着けてるネックレスと同じものを何で持ってるの?それ結大くんの…。」


「えっ…!?」


あたしはそう言われて思わず

自分の手を見た。


すると、あたしは結大とお揃いの三日月の

ネックレスをぎゅっと握りしめていた。


な…なんで!?

もしかしてっ…!!?


「月は知らないと思うけど、さっきね…」


「結大が消えたんだろう…?」


「えっ…!?」


瑠璃愛の驚いた顔からすれば図星だろう。
< 245 / 290 >

この作品をシェア

pagetop