月天使
すると結大のお母さんは私の手を
握って私に微笑んだ。
『それじゃあ結ちゃんに
毎日会いに行ってくれないかしら?』
『えっ…?』
会いに行ってくれって言われても…
いつも結大には会いにいってるよね!?
『あの子…喧嘩でもしたのかしらね…。
大怪我してて、望月病院にいるのよ…。』
『わ…分かりましたっ!!』
そう言って、私は走り出していた。
隣町にある望月病院に向かって…。
そして、駅に着いて電車に乗って20分。
たどり着いたのはどこの大きな建物より
目立つ大きな病院。これが望月病院…。
この病院の規模で、望月由美子が
立ちあげた会社のお金のほんの
一部にしかならないとか…!!
『とっ…とにかく、結大のところへっ!!』
私は結大のいる病室へと向かった。
そして、中へはいると…
『えっ…?』
私は思わず声をあげてしまった。
見てはいけないものを
見てしまったのかもしれない。
茶色の綺麗な長い髪、身長も高くて、
気品がある綺麗な女の子と結大が
顔を見合わせて笑いあっていた。