月天使
『く…来るなっ!!』
私がそう叫んだ時だった!!
『待たせて悪かったな…。』
と結大が申し訳そうな顔をして
百貨店から出てきたのだ。
そして、結大が私と望月月の方を見て
1つ状況を理解したのか私の前に立ち、
望月月を自分の後ろに下がらせた。
『何をするつもりだ!?』
『結大、そこを退いてっ!!私は
私の大切な人を守りたいだけなの!!』
『乃愛っ!!』
私は結大が目の前にいるのも構わず、
火の力を解放した。
だって、結大は死ねない体だからっ…!
あの子さえ消えてくれれば…。
『バトルスエローっ!!』
呪文を唱えた途端に大きな
炎の渦が彼らを飲み込んだ。
その時だった!!
漆黒に染まった翼が2枚、私の炎の渦
から姿を現した。結大の力だ。
そして私は見てしまったんだ。
『結大、何で…?何でよっ…!』
私は叫んだ。炎の渦が完全に消えて中から
姿を現したのは一人の女。望月月だった。
頬に星のマークをつけ、月の神としての
大きな力が感じられたのだ。
『いやっ…嫌だぁぁぁぁあっ!!』
私の叫んだ声は誰にも届かず
悲しく散っていった。