月天使
この子、男として言われたくない事を言ったぞ。
この子こそ本物の化け物だ!!
まぁ、あたしは女だけど嬉しくない…。
男になりきってるからね!
佳那はあたしとは違うな…。
何か、こう…明るくてきらきらしてて、
みんなの心もポカポカさせる。
ホッとする感じ。まるで太陽みたいだ…。
あっそうか、太陽なんだ!
佳那は太陽、あたしは月なんだ。
だからこんなにも、明るくて眩しくて…
眩しい太陽から逃げてしまうんだ。
あたしは心が弱いから…。
あたしは少しの間ボケーっと
その場に突っ立ってしまった。
すると…
「月くんっ…!」
いきなり慌てたように佳那が
あたしに抱きついてきた。
―――グサッ…!!
嫌な気がした。
あたしの目に写ったものは片方だけの綺麗な
純白の翼とその翼に刺さった剣だけだった。