月天使
―――バサッ…
嘘だろ…。夢でも見てるのか…。
「月くん大丈夫だった?」
佳那の体が離れた。
あたしは頭の中がごちゃごちゃになった。
「佳那…翼…なんで?」
あたしは佳那の翼を指差した。
「え…?翼?なにそれ!」
佳那が不思議そうにこちらを見る。
自分の力に気付いてないんだ。
「自分の左肩を見てみろ…刺さってんぞ。剣が翼に!」
佳那が自分の左肩を見た。
「……っっ!あれ…夢かな?ごめん、月くん頬っぺたをつねってくれない!?」
理解できないと言うように
佳那はあたしにそう言った。
あたしは佳那の頬っぺたを思いっきりつねる。
――――むにゅ―…!
「ギャー!痛い痛い!月くんやめてーっ!!」
佳那がストップをかけた。
「はいよっ。」
あたしは佳那の頬っぺたから手を離した。