月天使
『万智さんっ!!』
私は何も言えずただ、
万智さんに抱きついていた。
万智さんはそんな私を優しく包み込んで
にっこりと微笑んでくれた。
母と父を知らずに産まれてきた私を受け
止めてくれる人はこの人しかいないと…。
そして、その次に目を開いた時、
私は望月月という悲しみと闇の塊の
ような女の人と光に満ち溢れた
男の人に出会ったんだ。
私はこの日から彼女と
共に過ごす事になった。
何でだろうか…あの日何故か、私は
この運命に託そうと思ったんだ。
このまま万智さんが居てくれたとしても
それはきっと私を甘やかすだけだと…。
私なりのやり方で成長しようと…。
だから今、私はここにいる。
月さんについて笑っていられるんだ。