月天使
「佳那姉、なんであんたは平和の神である俺を選んだんです?他にもいたっしょ?」
和希は不思議そうに私を見た。
「正直言うと和希だからでなく、私が……」
「進治さんを殺して、次の平和の神に
選ばれたのが俺って訳か…?佳那姉。」
「そ…そうよ!!だから…」
私は和希を見た時、思ったんだ。進治は
確かに凄い術者だった。でも、和希は
それを超える…。何となくそう思った。
でも私は彼と仲間なんてやつじゃない。
だから……
「力は認めるけど仲間だと思われたきゃ、
地獄への扉をもっと早く開けることね。」
「佳那姉は厳しいな。
仕方ねーか…あんたの為だしな。」
そう言って力を使い続ける和希。
少しバカみたいに思えたが
私は和希を信じることにした。
「和希、あと少しよ!!
私はここで次の準備をする。」
そう言って和希にそっぽを向いた。
すると、和希は……
「佳那姉…きっとあんた
の為なら何でも出来るよ…。」
と笑った。全くコイツは変な奴だ。
乃愛は今頃、大丈夫だろうか。
今頃望月月を見つけているだろうか。
何だか気持ち的にも不安が少しあった。