月天使
確かにヒビは入ったけど…
「残念だったな!!そんな程度の力じゃ、
俺のバリアは完全に壊れないぜ?」
と言って和希は笑っていた。
「ねぇ、何であんたはこんな事するの…?」
「何だよ…いきなり!?」
「あたしはあんたが何で自分の命を無駄にするような事をするのか理解できない!!」
思わず叫んでしまった。
でも、その答えは単純なものだった。
「佳那姉が好きだから…それだけ。」
好きな人の為ならば何でも出来る。
結大…これもそういうことなのか?
「ならっ…あたしはっ…!!」
そう言おうとした時、
和希があたしの言葉を書き消した。
「バカか!?あんたは本物のバカか?」
「はぁ…!?」
「全部あんたのせいじゃないか!!
だから俺が死んでも無駄にならない。
この扉が開けばあんたも死ぬんだ。」
あたしは目の前が真っ暗になった。彼を
止める方法が、何1つ無い。そもそも、
あたしには彼を止めることは出来ない。
あたしが佳那を闇に染め、彼もそれを
受け止めることしかできなかったのだろ
う。彼からは一切、闇を感じられない…。
どうしたらいいの…。
そう思ったときだった。