月天使
凄い光景が目の前に広がっていた。
真っ赤に染まる地面とそこに倒れこむ
乃愛とふれあの姿があった。
「の…乃愛、ふれあっ!!」
あたしは2人の体に触れると手が真っ赤
に染まった。血の色に染まった自分の手を
見て怖くなる気持ちをグッと押さえて、
乃愛とふれあをあたしの力で包み込み、
佳那の元へと向かった。
次に見るものはもっと酷い光景かも
しれない。だけど、あたしはっ…
<<誰にも負ける訳にはいかない!!>>
そう思いながら、あたしはついに
佳那の元へとやって来たのだ。
でも、そこにいた佳那はもう昔の佳那では
なかった。彼女は血を食らい、生きる
恐ろしい化け物と化していた。
「はっ…葉澄!!星花っ!!」
あたしが見た葉澄と星花の傷はあまり
にも酷かった。陸と瑠璃愛を寝かせて
いる所に2人は一緒に寝かされていた。
こ…これは……
「月くんっ…!!ここはもうっ…。」
精輝の頬から真っ赤な血が流れていた。
そして龍使いの俊也も
「来ないでくださいっす!!この女は壊したい放題です。月くん…彼女の攻撃に当たったらマジで死にますっ…!!!」