月天使

と言いながらあたしを佳那の攻撃から


かばっていた。あたしは陸達が寝かされて


いるところにふれあと乃愛を寝かせた。


「悪いけど<来るな>と言われて
<ハイそうですか>と答えられるほど
あたしゃ、大人じゃないのさ。」


そう言ってあたしは

ウィッグを放り投げた。


すると2人は驚いた顔をこちらに向けた。


「月…くん。あんた…女か!?」



精輝に言われた言葉に大きく頷いた。

そして、あたしは2人の前に立った。


「下がってて!!2人とも!!」


「でっ…でもっ…!」


俊也があたしの肩を掴んだ。


その瞬間、あたしのムーンステッキの光が


精輝と俊也を包み込み、


安全な場所へと連れていく…。


「る…月さ――んっ!!!」


精輝と俊也はどんどん離れていく。


「2人とも…ありがとね…。」


あたしはムーンに変身して、

2枚の漆黒に染まった翼を広げた。


「望月月…私に殺されたいの!?」


赤い目をした佳那の

笑みに背筋がゾクッとした。


佳那の瞳からは一瞬たりともそらせない。



「あたしは結大の夢を叶えに来た。だから、
あんたの力はあたしが頂いていく!!」


< 284 / 290 >

この作品をシェア

pagetop