月天使
と言いながらあたしを佳那の攻撃から
かばっていた。あたしは陸達が寝かされて
いるところにふれあと乃愛を寝かせた。
「悪いけど<来るな>と言われて
<ハイそうですか>と答えられるほど
あたしゃ、大人じゃないのさ。」
そう言ってあたしは
ウィッグを放り投げた。
すると2人は驚いた顔をこちらに向けた。
「月…くん。あんた…女か!?」
精輝に言われた言葉に大きく頷いた。
そして、あたしは2人の前に立った。
「下がってて!!2人とも!!」
「でっ…でもっ…!」
俊也があたしの肩を掴んだ。
その瞬間、あたしのムーンステッキの光が
精輝と俊也を包み込み、
安全な場所へと連れていく…。
「る…月さ――んっ!!!」
精輝と俊也はどんどん離れていく。
「2人とも…ありがとね…。」
あたしはムーンに変身して、
2枚の漆黒に染まった翼を広げた。
「望月月…私に殺されたいの!?」
赤い目をした佳那の
笑みに背筋がゾクッとした。
佳那の瞳からは一瞬たりともそらせない。
「あたしは結大の夢を叶えに来た。だから、
あんたの力はあたしが頂いていく!!」