月天使

「結大兄の夢は理想に過ぎない。私が現実 を見せてあげようか!?月チャン…?」


「夢は理想なんかじゃねぇっ!!
叶えるもんなんだよ―――っ!!」


そう言うと佳那が襲いかかってきた。

あたしはムーンステッキを握った。


「ノワール・ライト!!」


「クラランスッ!!」


あたしは自分を光で包んで何とか

自分の身を守った。


そして佳那が少し、あたしから離れた。


「佳那、あたし1つだけ
見つけたんだ。希望の力を…。」


「何よ…それ…。」


「今から分かるさ…。」


あたしはムーンステッキを投げ捨てた。


「えっ…あんた、今の状況分かってんの?」


「充分にな。これで全て終わりだ。」


あたしは自分の漆黒に染まった翼から

一枚羽を引き抜いた。


すると…真っ黒な世界が

あたしと佳那を包み込んだ。



「我が名は月天使、望月月。
我が願いを叶えよっ…!!」


あたしは黒い羽を胸に当てて叫んだ。

すると…佳那は驚いた顔をして


「ちょっ…ここ何処?何するつもり!?力使えないし、腰が抜けて起き上がれない…。」


と座り込んでいた。

あたしが何をするつもりかって…?
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