月天使
そして、次に目を開けた時、
あたしが見た世界は
信じられないほど美しい世界だった。
ただ…あたしには今まで、仲間と
過ごした記憶が何一つ残っていなかった。
「なんて綺麗なんでしょう…。」
あたしは大きなお屋敷のすぐ近くで見つ
けた花畑で1人たたずみ、空を見上げた。
すると、大きな虹がかかっていた。
そして、その虹を見たときに誰かの
<<よく頑張ったな…。>>
という優しい声が聞こえた気がした。
あたしは何を頑張ったのか
分からなかったけれど
何故かその懐かしい声に微笑んだ。
「ありがとう…。」
ってさ…。
そして何故かあたしは
1枚の真っ黒な羽を離す事なく
大切に握り締めていた。
ずっと…ずっと……。
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