月天使
「あんだとーっ!!テメェ!!」
オヤジは包丁を持っていない方であたしを
殴ろうとしてきた!!
だけど、あたしはその手を受け止めた。
そして、あたしはオヤジにフッと笑いかけた。
「悪いけど逃げないと危ないよ!?」
「え…?」
オヤジが驚いた顔をした。
でもそんなの手遅れだ。
―――バサッ…
あたしの背中から片方の翼が出てきて
あたしはオヤジの元から離れた。
オヤジは腰を抜かして声もでない様子(笑)
あたしは少し離れたところから
オヤジの様子を見ることにした。
すると…
―――ピーンポーン!!
と佳那の家のインターホンの音が響いた。
オヤジが目玉をぎょっとさせて
インターホンを鳴らしたんだろう…。
『はい…?どちら様!?』
とインターホンからすぐに
佳那のお母さんの声がした。
「ばっ化けもんだぃ!!」
オヤジは取り乱したように
インターホンに声を張り上げた。
―――ガチャ…
ドアが開いて佳那のお母さんが
「なんだい…そんなに慌てて!?」
と不思議そうに言った。
「あんたの隣に住んでるガキだい!!」
あたしに対してだろうか…。
オヤジは全く落ち着きを見せない。
「あの子、男の子にしては可愛いわよね!!」
「違う違う!そうじゃなくて!!」
「どこの人か知らないけど帰ってください。
あなた、お酒の飲みすぎじゃないですか?」
―――バタン…
佳那のお母さんがドアを閉めた。
「そっ…そんなぁ…。」
という残念なオヤジの声が聞こえた。
ハハハ(笑)ざまぁみろーオヤジ(笑)