月天使

「なんで…?」


私は本当に怖かった。人を失うことが…。

だから、助けたいだけなのに……


「貴方が月くんの事を思うほどに力は倍増する」


葉澄がクスリと笑った。

悔しいけどここは彼女達を頼るしかない。



「どうしたらいいの!?」


私は葉澄と星花と呼ばれる女の人に訊ねた。


「彼を助けたければ、彼のことは考えない事ね。そうすれば魔法はとけるはずよ。」


星花と呼ばれる女の人が親切に教えてくれた。


「えっと…ありがとうございます。」


私がお礼を言うと彼女達はフッと笑って

又、空を飛んでいってしまった。



「はっ!!そんなことより!!」


えっと…月くんの事を忘れる~!


「よしっ!!」


私は他の事を考えるのに集中した。


さてさて、今日のデザートは

リンゴゼリー?プリン?ケーキ?


うふふ…どれも美味しそうだな~*


「あは…美味しそう♪」


おやつ買いにいこっかな~*


「あは~あはは~*」


私はおやつ目当てに歩きだしてきた。

すると…


「まていっ…はぁはぁ…。」


突然、誰かに進もうとした足が掴まれた!!

下を見てみると…。


「ギャッ!月くんっ!?」


うつ伏せ状態で腕だけは

私の足をしっかり掴んでいた。


「佳那、てめぇ倒れた俺を放ってどこへ行くつもりだ!!」
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