月天使
「はぁ…絶望か…。」
あたしは太陽が嫌いだ。
静かにひっそりと闇を照らす月が
あたしの唯一の光…。
確かにあたしは<闇の戦士>かもな…。
そんな事を思っていると……
「夜行性の誰かさんっ!」
と後ろから声がかかった。
「わっ!!寝てたんじゃないの!?」
逆さまの佳那の顔があたしの顔を上から
覗きこんでいた。
「誰が寝てたなんて言った?」
「…言ってないけど出てき方があるじゃん!!」
あたしがそう言うと
佳那はイタズラっぽく笑った。
「夜の海は綺麗だね…もう1月になるんだよ…」
「あ…あぁ。」
あれ…今、スラッと話を反らされたような…??
まぁいっか!!
「……月…くん?」
佳那があたしの顔をまた、覗きこんできた。
あたしには秘密が多すぎる。
自分が女であること。
自分が月天使であること。
自分が実は大金持ちの娘だってこと。
そしてあたしと結大は……!