月天使
てか絶対あのオヤジ、頭おかしいだろ!?
あたしが《化けもん》?
まぁ、それはいい反応だ。
あたしは黒い片方の羽をしまい、
屋根から降りて近くのコンビニによった。
自動ドアをくぐり目的の物を手に取ると
すぐにレジに持っていった。
「はぁーい全部で520円です。」
<チャリーン…>
お金をきっちり、払ってさっさと歩く。
「ありがとうございました。」
コンビニの店員さんの声が響く。
自動ドアを出て一人であるく。
一人になってもう二年もたつんだな…
なぁ結大。お前もこんな毎日だったのか?
ふいに視線を向けた百貨店の
ショーウインドウ。
そこに移る自分の姿を見る。
でも隣には誰もいない。
一人にももう慣れたはずなのに
やっぱり寂しかったのかもしれない。
「あれ…?月くん!?」
後ろから聞き覚えのある声がした。
「ダレ…?」
確かめるように訪ねてみた。
「もーっ!!アタシよ!!泉 佳那。
もしかして、暗くて見えなかった!?」
うわ…ヤバい…。
こいつ泣くんじゃねーの!!