月天使
もしも俺の背中に白い翼が付いてたなら、
どこへでも行けたのに…
結大もオカアサンも遠くの国に
飛んでいけたのに…。
そんなこと思いながら
たどり着いたのは大きな花畑。
「アオ、僕はこの場所が好きなんだ。」
透き通る青い空が広がる。
そしてオカアサンの大好きな
お花がたくさんある。
結大はその1つ1つのお花を積みはじめた。
俺は訳がわからなかった。
《結大何してるんだ!!》
結大だって俺と同じように
お腹すいてるんじゃないのか!?
じゃあ、こんなところでお花なんて
積んでないで貯金箱のお金で…。
「あのね…本当は貯金箱からお金持ってきたって言うのは嘘なんだ…。」
辛そうに結大は俺の方を見る。
「貯金箱のお金はお母さんにあげたんだ。だからアオのドッグフードも買えなくて…ごめんね。」
結大はそう謝った。俺は何なんだ…。
《何がお腹が空いた》だ…。
我がままばかり言って、情けない…。
結大はオカアサンの為に頑張ってるのに…