月天使


俺と結大は少し時間がたって、家の前まできた。

だけど、そこに見えたのは辛い現実だけだった。


結大が膝を付いて動かなくなった。


俺は結大に視線をあわせた。

すると、家の前にオカアサンとあの男がいた。


「お願いです。後1週間だけ待ってください…」


「払えないなら体でも売ってきな?楽だぜ、奥さん?」


「それはっ…!お腹を空かせた息子が待ってるんです!!」


「はいはい。いいとこ招介してやっから。」


男がオカアサンを

どこかへ連れていこうとしている。


「いやぁぁっ!!」


オカアサンは必死に抵抗している。


すると男は服のポケットから嫌な物を出した。


刃物だ。

結大の顔色が一気に変わった。


「お母さーんっ!!」


隠れていた結大が男に体当たりした。


でもまだ子供の結大の力では何もできなくて…


「何だぁ!?このガキ!!」


と結大が男に捕まった。


《クソぉっ!!》

< 49 / 290 >

この作品をシェア

pagetop