月天使
俺と結大は少し時間がたって、家の前まできた。
だけど、そこに見えたのは辛い現実だけだった。
結大が膝を付いて動かなくなった。
俺は結大に視線をあわせた。
すると、家の前にオカアサンとあの男がいた。
「お願いです。後1週間だけ待ってください…」
「払えないなら体でも売ってきな?楽だぜ、奥さん?」
「それはっ…!お腹を空かせた息子が待ってるんです!!」
「はいはい。いいとこ招介してやっから。」
男がオカアサンを
どこかへ連れていこうとしている。
「いやぁぁっ!!」
オカアサンは必死に抵抗している。
すると男は服のポケットから嫌な物を出した。
刃物だ。
結大の顔色が一気に変わった。
「お母さーんっ!!」
隠れていた結大が男に体当たりした。
でもまだ子供の結大の力では何もできなくて…
「何だぁ!?このガキ!!」
と結大が男に捕まった。
《クソぉっ!!》