月天使

俺も何とかしようと男の腕に飛びかかった。

俺は思いっきり背中を地面に打ち付けた。


「うっ…。」


痛そうにする男。

オカアサンは驚いた様子で俺達を見た。


「ゆ…結ちゃん…。アオ…。」



すると男は刃物を結大の方に向けて

そのままの勢いで走っていった。


《結大―――っ!!》


俺は結大の背中に思いっきり飛び込んだ。


―――グサッ…


「キャーン!!」


俺のお腹に刃物が刺さった。痛みが大きく走る。


―――ボトッ…


男が刃物を落とす音が響いた。

男は逃げていったんだ。


よ…良かった…。


「う…嘘…。アオ………!?」


俺の意識は薄れていく。

起き上がる事も返事をする事も出来ない。
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