月天使

「本当は私が代償を決めてから初めて願いを叶えるのだが今回は特例。お前の強い気持ち、私に届いた。お前の命と引き換えに願いを聞きとげよう。」


そう言って月天使は不思議な棒を俺に向けた。

すると、凄い光が俺を包んだ…。



――――――――――――――――――



―――ピンポーン…


[ガチャ…]


いつも通り怯えながら

オカアサンはドアを開ける。


「あの…夜遅くにごめんなさい。私、北野と申します。うちの会社を立ち上げる際に貴方の旦那さんに大変お世話になりまして…」


オカアサンの震えた体が止まった。


「失礼ですが私で良ければ借金の肩代わりをさせて頂きたいのですが…」


オカアサンがその言葉を聞いた瞬間微笑んだ。

あれからはじめて笑った。



「あっ…ありがとうございます。」


オカアサンは微笑んで泣いていた。

ずっとずっと泣いていていた。



こうして月日も経ち、

結大とオカアサンは幸せそうにしてる。



あのボロボロのマンションから

離れて今は一軒家に住んでるみたいだ。


オカアサンはいい仕事がみつかったみたい。



北野さんはオトウサンの借金を

全て払いきったそうだ。


《幸せそうで良かった…》

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