月天使

「俺はもう死んでいる…」


「えっ…?」


私は思わず顔をあげた。意味が分からない…。


結大兄はだって今、私の前にいるじゃない!?


「あいつに力を託した。片方の翼はもう使いこなせてる頃だろう。」


 ・・・
『あいつ』って誰…?

それに翼って私にもあるよ…?


「結大兄っ…あのね…わ…」


そう言おうとした時、突然強い風が吹いて、


「ここかっ!!くっそぉ!!」


と少年の声が聞こえた。


私は思わず強い風の吹いてきた窓を見た。

すると…


「おいっ佳那!!」


窓の上にしゃがみこんでいる月くんがいた!!


「な…何で月くん!?」


てか、窓からどうやって入ってきたんだ!?

ここ、505号室だよ?5階だよ?
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