月天使
月くんが本物の女の子みたいじゃない……。
「だって佳那も翼を持っていた。片方だけの翼を!!」
「そんなの知らねーよ…。」
声も言葉遣いも私と居る時と違う……。
「えっ…なんでよ!!」
そう言う月くんはただの女の子。
これじゃ…私に女の子だって
教えてるようなもんじゃない!!
「信じらんない……」
私は怒りと悲しみと恨みに
急激に襲われた。
「「えっ…?」」
月くんと結大兄は私の方を振り向く。
「私を騙したのはあんたよ…っ!!」
私は思わず窓から飛び降りようとした。
だけど…
「待てっ!!佳那!!」
月くんの女でありながら
力強い腕に捕まってしまった。
「やだっ!!もぅ離して―――っ!!」
月くんの腕を無理矢理払いのけた。
「佳那っ…!」
そう月くんの声がした。だけど私は
止まらずに窓から飛び降りた。
でも私は死にはしない。夜で
あろうとも昼であろうとも関係ない。
今の私の闇の力は無限大だから…っ!!