月天使
【佳那side】
月くん…月くん…月くん…。
あなたは女だったのですね…。
私はあなたと同じ道を
歩いてきたつもりだった 。
「はぁ……。」
私が勝手に思ってただけで、
あなたと私は全く違ったね…
ただの夢だったんだ。全く私ってば…。
「バカみたい…。」
私が一人立っているのは
月くんの好きな、コンビニの駐車場。
もう、朝が来た。冬休みが終わる…。
今日から通常の授業が始まる日だ。
だけどもういい!!何もかも忘れてしまえ!!
この冬休みの出来事は全て忘れる。
そんな事を思っていたら、
「ホンッとバカな子ね…。」
と後ろから綺麗な女の人の声がした。
「誰っ―――!?」
私は後ろを振り返った。すると、
「力をちゃんと使えないのに、1人でうろつくおバカな神様がいたとはね…。」
この言葉を聞いた瞬間に
私は何故だかもの凄い殺気に襲われた。
殺したい…。なにかを壊したい…。
すべてを捨ててしまいたい。
そんな感情に染まったんだ。
「…こ……ろす…。」
私はもう今までの私ではなかった。
「何言ってるの?小さくって聞こえないわ!」
私をバカにしたこの女を…
私の実験台にして殺してやろう!!
そんな恐ろしいことを思ったんだ。
「あんたをぶっ殺す―――!!」
私は女を睨み付けた。
女はその目をそらさなかった。