月天使
夢野 ふれあ
【月side 】
あたしと結大が空を飛んでたどり着いた先には
驚きの光景が広がっていた。
「佳那…あんた、何したの!?」
あたしは思わず佳那を睨み付けた。
「月くん…いや、月ちゃん。貴方無しでも私は強いのよ。結大兄、覚えてて。私は貴方達を一生恨み続ける。」
佳那は恐ろしげな表情をしてあたし達の前から消えた。
あたしと結大の目の前に広がった光景は真っ赤
に染まる地面と女の子の悲しい亡骸だった。
信じられなかった。
「あの太陽みたいに笑う佳那が…」
目の前が真っ白になった。
あの綺麗に笑う佳那が…。
「おいっ!!月、もう佳那の事は諦めるんだ。
これ以上何を言っても佳那には届かない…。」
結大は少し辛そうに言った。でも、あたしは…
「やだっ!!」
佳那はあたしの唯一の繋がりなのよ!!
「月…。佳那はいくら嫌だと言っても帰ってはこないんだ。目付きが前の優しい笑顔を浮かべる佳那とは違った。」
そんなの分かってる。そんな気がしてたから…。
でも、
「やだっつってんのよ!!」
佳那はあたしが責任をとって取り戻す。
「結大、あんたはそう簡単に
諦められる人間とは違うでしょ!?」
あたしは結大を抱き締めた。