月天使

「大丈夫。俺の手の上にお前の手を乗せて、力を込めるだけ。」


「えっ…?こう~?」


月は俺の手の上に

小さな手のひらを重ねてきた。


「そうだ。そのままな…」


俺は目を閉じて力をためた。


マーキュリー、今こそお前の力が必要だ。

新しい神に選ばれた君が世界を光に変える。


今こそ神々を一つにまとめてくれ…。


俺の手の上に添えた月の手は

大きな光を放って俺に力を与えてくれた。


そして、一気に明るい光が照りつけて、

見知らぬ女の子が光の中から表れた。


「あれ…?何で私、こんなところに…?」


ちょこんと座り込む女の子。

俺はそんな彼女に手を差しのべる。


「はじめまして、神々使いの神様。君はマーキュリーと呼ばれている神に選ばれたんだ。」


「えっと…それ何ですか?」


不思議そうに女の子はこちらを見た。

俺と月は顔を見合わせて頭をかいた。


「えっと…説明が面倒なんでとりあえず、ここであんたに向かって石ころを投げまくります!!」


月がダルそうに言った。
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